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甲子園43季連続取材中の記者が東筑「石田伝説」で思い出したこと

東筑「石田伝説」と球児たちとの邂逅

野球がつなぐ不思議な縁

 私事だが、助っ人としてわれわれの草野球チームに参加してくれたことがあった。東筑卒業後立教大でプレーした石田さんが、のち出版社でアルバイトをしているときだ。

 長いこと高校野球を取材していると、実際に接した高校生とのちに草野球を楽しむような、なんとも不思議な縁がある。

 僕が中学生時代の最後の試合、最後の打者になりかねない打席。フルカウントからきわどいボールに手が出ず、三振か、と礼をしようとした瞬間に「ボール」と判定してくれた球審の方に、甲子園でお会いしたことがある。高野連の役員として、裏方の仕事をされていたのだ。

 

 あるいは、取材した選手がたまたま飲み屋で知り合った人の息子だったり、同級生の息子がエースとして甲子園に出てきたり。高いレベルで野球を続けてから取材者となったのならめずらしくはないだろうが、僕の野球歴は小さな地方都市の中学時代まで。なかなか希有な邂逅だとひそかに思っている。

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楊 順行

よう のぶゆき

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。85年、KK最後の夏に“初出場”した甲子園取材は52回目を数え、観戦は2000試合を越えた。。春夏通じて43季連続“出場”中。著書に『スコアブックは知っている』(KKベストセラーズ)『甲子園の魔物』(ベースボールマガジン社)などがある。


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